「ポケットチーフの真髄」
こんばんは。MATの西尾です。
今回はドレスシーンには欠かせない影の主役、ポケットチーフについて詳しく綴らせていただきます。
「ポケットチーフ」とは和製英語で海外では「ハンカチーフ」の事を指します。
元々、「ハンカチーフ」は中世の欧州では手や顔を拭く日常の用途と婚約のために相手に渡したり、親から受け継ぐ物と儀礼的な意味合いの二面性を持っていました。
その「ハンカチーフ」がファッションとして取り入れられるようになったのは、15世紀頃にフランスの船員が肩飾りや左袖上に挿し込むようになったころから始まったと言われています。
時代は違いますが日本にも似た文化があり、江戸時時代の町人の中で手拭いを帯に手拭いを挿すことが粋だと流行したそうです。
そして、19世紀半ばの英国でチェスターフィールドコートが誕生しました。
これまで、上着には胸ポケットが付いてはいませんでしたが、このコートには胸ポケットが付いておりそこに手袋を挿すことが流行しました。
そして、1920年頃にジャケットにも胸ポケットが採用されるようになり、燕尾服やフロックコートが広まり礼服として着られるようになると、以前から儀礼的な意味もあったのでフォーマルなシーンにジャケットの胸ポケットに白い「ハンカチーフ」を挿すことが一般化されました。
なので、現在も結婚式等の祝いのパーティーの際は「ポケットチーフ」を挿すことが日本でも一般的になっています。
そして、ファッションとしてカジュアルにも取り入れられるようになり、スーツスタイルにも取り入れられカラフルな「ポケットチーフ」が多く普及しています。
1900年代には一般的になり「ハンカチーフ」業界で他社と差をつけるため様々な形の「ハンカチーフ」で溢れていたそうです。
それを見た、ルイ16世が法律で「ハンカチーフ」は正方形でなくてはならないという法律を作ったことから今も「ハンカチーフ」は正方形が多いと言われています。
昨今ではシルクやリネン、コットンの多様な素材でチーフが生産されています。
欧州発祥のハンカチーフは日本のビジネスシーンにおいても今や欠かせないドレスアイテムとなりました。
できるビジネスマンはチーフの挿し方にもこだわります。
個人的には48m×48cmのリネン素材の白無地チーフが最もおすすめ。
いわゆる”スクエア”という、先1.5cmほどを平行に出したベーシックかつスマートな挿し方でスーツの全体を完成させます。
これだけ覚えておけばビジネス、フォーマルと、どんなシチュエーションにも活用できるので、是非実践してみてください。